11 November 実写版るろうに剣心を見たよ! ※実際に見たのは10月8日なのですが、投稿時のトラブルに拗ねてお蔵入りしていたものをついでにいまさらup。 実写版ドラゴンボールの悲劇再来か、とざわざわ感のある、るろ剣を、遅まきながらやっとみれました。 ちなみに、私は学生時代、1話目からリアルタイムで見ていた原作勢。小説未読、アニメ未視聴です。 私としては、面白かったですねぇ。 主演の佐藤健氏の奥様人気が、席数にどーのとかいう話は聞いてまして、確かに、同席したかたを見るとそんな感じ。 だがしかし、内容はもう、サトケンファンの奥様大丈夫か、と苦笑いするレベルの、7割が流血チャンバラでした。うっひょーい!アクション大好きな俺は歓喜!! 原作の剣心は、少女と見誤る優男。サトケン剣心は、少女には見えないけれど、美男というにはイマイチ男臭さの足らない(個人的に)優男で、イメージ的には全然問題なかったです。 寧ろ、和月先生が今の絵柄で描く剣心のほうが、女顔過ぎて違和感あるという大変わがままなファン心理(← 内容としては、原作4巻まで。約40話、アニメ換算なら20話、約10時間分の内容の集約です。 それにプラス、剣心の背景を説明するために、人斬り時代についた頬の傷のルーツに触れています。 登場人物が多くてもう、大丈夫かー?!って感じで。 おかげさまで、残念無念、お庭番衆は出てきません。なんかそれっぽい萌えキャラに変わってました。あれはあれでいいね。(一人で三次元仮おじ!!とか盛り上がってました…。多分、造形は縁がルーツかな、と) というか、その、ほぼオりキャラの忍者キャラは、剣心の人生のテーマを揺さぶる布石として、じわじわ来るポジに居ると思います。 最近私が思い悩んでいる、「正義」というテーマに由来する、正義が支配した後の「皆の理想であるそれ(義)」の「皆」からあぶれた人を、正義は救えないという事実に対して、それでも衆生を救いたいと思う人は一体何をすべきか、という。 剣心は、正義の使徒の凶状持ちで、だから自分の凶状の犠牲者のために思い悩み続ける、すばらしい人物です。 その、剣心のしがらみや、葛藤の道を、斉藤一、隠密の青年(名前シラネ)、鵜堂刃衛が、揺さぶり、試す構造がきちんと作られてるところが、凄く良かったと思います。 で、サトケンの演技が、腕がたつだけじゃない、剣心の心の葛藤を露わそうとするにつけ、うおおおって、なっちゃうんですよこっちは。全体的に覇気がなくていい感じです。それと対比するような刃衛戦は、不覚にもウホッ!としました(← あんまり「おろ?」って言ってくれなかった。ちぇっ 正直、斉藤一を出すって言うのが、軽く暴挙なんですよ、と思わないでもないです。 ですが、原作内で、維新志士時代の剣心と剣を交えたことがありながら、「るろ剣」時代までキャラとして出番のある人はあの人しか居ないし、警察に、剣心の立場が判ってる人が居ないと、話の収集が付けられなくなって、まとまりが悪くなるしー? でも、対刃衛との構造を崩してしまうから、冒頭で剣心と刃を交わす訳にはいかないしー?あーあーあーあー!! そんなご都合主義で、斉藤一は大分、分かり易い性格になってますし、見せ場も取って付けたような感じなので、斉藤一ファン失笑必死です…。牙突(笑) それに目をつぶれば、大変渋い素敵なキャラだとおもうので、映画版斉藤一はそう言う目線で見た方がいいです。斉藤萌えというより、俳優さん萌えの方向で。 映画は悪くない。斉藤一をああした、和月先生が(ry 左之助は凄く良かったですw 登場も唐突、絡みも唐突、当然のようにその場に居て、当然のように共闘してる お 前 ら それでいいのか!wwwww そんな不説明でも許される相良左之助。なんで作中二回も生卵食べてるの?!www確かにそんなのあったような無かったような?! でもいいんだ。剣心vs左之の、あのお開きの切っ掛けの短い遣り取りでもう、私の左之助萌えは胸一杯…! うめぇなぁって思ったのが、左之助に関する演出。 「いきなり出てきた暴れん坊」→「あれ?この人、凄くいい人なんじゃない?」(捨て犬を拾うヤーさんにトゥンクしちゃうシステム)→「あれ?サトケンと共闘してくれるの?」 という、構成を、左之助の背景を全く説明せずにやってのけてしまった演出ですね。しかも恵の背景説明ついでに! なんかもう、原作の左之助戦の彼の重たい背景説明が無粋に感じてしまうレベルの鮮やかさでした…。なんという逆転現象。 まぁ、あれは左之助だから許されるよね。 武田寒柳は、こんな登場人物の多い、映画版るろ剣のキャラ数を押さえるのに一役買っていて、4巻までに出てくるnot侍系悪方のすべてを集約したキャラになってます。 残念だったな!めがねの青年はめがねのオサーンになったぜ!! やぁ、悪方がしっくりくると、やっぱりお話はビシッとしますね。 鵜堂刃衛は、原作では、維新の闇を背負い、仕舞いの際には、維新はまだ終わっていないということを剣心に突きつけるキャラだったのですが、映画版ではシンプルに、人斬り抜刀斉の陰、という形で終始していて、押さえるところは押さえていたけれど、残念なキャラではありました。 斉藤一と同じ事情で、仕方ない系ですねぇ。 緋村剣心という人物の人物像と、懊悩の核を描く、という部分で成功していますし、明治維新の問題点まで言及するとぶれてしまう。 今回はそういう映画ではない、というストイックさを考えれば、残念無念で留めるのが正解だと思います。 まぁ、刃衛で一番残念だったのは、「なんで双龍閃が飛び出したのか、映画だけじゃさっぱりわかんなくねアレじゃ?!」ってとこですけどねw でもまぁ、抜刀術の鞘走りの速度がどーたらとか、そんな剣士の紙一重の攻防なんて、映画で描くもんじゃないからオーライ。寧ろそれなら別に双龍閃ごとスパッと削ったら良かったんじゃね?って思うけど、そうすると、「刃衛を倒したのは双龍閃だろ!」って主張するファンも居るだろうし、まぁ、あんなもんかなーと思うのでありました。 弥彦は居ないと寂しい勢でした…。まぁ、原作でも大器晩成だからなぁ。寧ろ居てくれて良かったですよ。弥彦が居ないと神谷道場内のパワーバランスおかしくなるしね…。活躍どころは無いですが重鎮です。出てきた瞬間弥彦と判るあの弥彦パワー素晴らしい。 恵さんは、私自身にあまり思い入れがあんま無いからアレなんですけど、恵さんの可愛げを出すには尺が足らなかったんだろうなぁ、みたいな。物語を回す主軸なので、あんまりバッファのないポジションでした。 そんなポジだったため、正直恵さんの出番は薫ちゃんより多かったと思われ。ヒロインどっち?!みたいな流れは、だがしかし、刃衛戦の例のアレでカバーしてたので、薫ちゃん(多分)セーフ! 私の薫ちゃんのポイントは、「剣心!」って呼ぶときの声質とイントネーションなんで、満点でした!!!(← 薫ちゃんが、剣心をおかえりなさいって、出迎えるのが「るろ剣」ですよ。 判ってらっしゃるぅぅぅぅ!! るろ剣は、名台詞!!っていうのはあんまり無いんですが、じわじわくる凄い「良い言葉」っていうのが、沢山あって、そう言うのを色々と押さえててくれてて、嬉しかったです。 ただまぁ、原作ファンの私は大変楽しめましたがー、アレが初見の映画ファンにとってはどうなんでしょうかねぇ?バタバタし過ぎなんじゃぁないかなぁ?と思わなくもない。 もう十年以上前の漫画が原作、という意味で、鬼門やも知れませんが、原作を読んで、キャラの心情を把握した上で視聴すると、より味の出る映画だと思います。 原作、28巻(JC換算)もありますけどねぇ?ふふっ…。 PR