18 January 大神が来ちゃいましたよ。 その経緯壱) 我が友、祭がサイト上で幾度となくプレイしている旨を記述する。 あ奴はやりこむと決めたら体力の続く限りに駆け抜けてしまうので、それを思えば大分息が長い。祭のイラストを見ると、何やら素敵赤ライン(待)の入ったワンコが描かれた独特のタッチ。 気になる。が、調べない。 「祭がやってるから」などという安易な理由でプレイするのは我も祭もお互いに癪に障る部分である。弐) 祭に冬の新刊を届けついでに別にもう泊まる必要などない日帰り距離になったのに泊まりでだらだらする。もはや慣習的なものというか、お互いリズムが緩々なので、小一時間どころか一晩もあっという間に過ぎてしまうのだ。 事前に静岡零の話題の上で、「静岡やったことない。怖いのやだやだ!」と固辞する我に、「私も怖いの嫌いだよ?!」と言いながら、静岡初代を披露する祭。怖いなら何故やるのだ。まぁ、情報戦で不利になることに恐怖を感じる習性故なのだろうが。 静岡は本当に精神衛生に悪かった。 静岡自体の製作魂等の精神性の高さは我も高く評価するが、趣味自体は正に趣味の問題であり、趣味が違う我には辛すぎる。 霧とか不条理とか血と錆びと鉄格子は割と好むほうだが、そこを普通の外出着の中年(職業:ライター)が闊歩する、拳銃鉄パイプハンマー振り回して異形のものを退ける拙い様、それらがリアリティを醸してしまってもう反吐が出そうでしょうがない。バイオみたいなキャラクターが静岡を闊歩するなら未だ私は癒されただろうが、一切の癒しを許さず、プレイヤーに現実的な恐怖感を誘発させ、それそのものをゲームとしてエンターテイメントする。なんて完成度の高い作品なのだ。 我は静岡を絶賛する。 だが、絶賛するとしても買わないだろう。断じて。 また、今回のエントリーとは趣旨が違うが、プレイヤーに良くない疑似体験を与えてしまう危惧も感じた。出来が良すぎるのだ。感受性が強く、確たる社会性や信念を持たない幼い魂では一溜りも無いだろう。軽症で悪夢、と言ったところか。 出来がいい事と、出来がいいだけではそれ全てを評価できることは別問題である、という好例だろう。敢えて我流に言えば、「素晴ら」しくないが技術的に優れていて作品性もあるエンターテイメント、というところだろうか。 静岡数時間プレイで疲弊しきった我々を癒してくれたのが、「大神(おおかみ)」である。 参) 「ちょっと癒されようか」 そうおもむろにPS2へ入れ替えたのが「大神」である。 ソフトのパッケージ。タイトル。 和っぽい。 和、いいですね。和。 ――おーかみ…! ロード完了。 !(*゜Д゜*) 名前は忘れたが、これは3Dにテクスチャを貼って2Dの味を出す技術。 アウトラインは墨筆調を再現し、全ての彩りが墨彩画を思わせる素朴であり泥臭く(マッド)ありながら透明感のある美しい中間色。 う、うおおお、なんじゃこの拘りある仕事は! また、主人公(?)の白い狼、大神アマテラスの爽快な操作感が素晴らしい。ダッシュダッシュ!「走ると軌跡に草生えます。早くなると花生えます。最終的には金色になっちゃうよー?」ずだだだだだだだっ(もさもさもさもさもささー) 登場人物も愛嬌たっぷり。すっかりほれ込んでしまった次第であります。嗣) 帰宅。アマゾンクリック。祭に死亡フラグ死亡フラグと言われる。伍) 大神来臨。 ――おーかみ…! …あ、あれ?ちょ、おま、もう3時間?!! 明日も仕事なので泣く泣くタイトル画面に戻ったのでした。*** アマテラスは文字通り天照。日本神話に置ける太陽神。大きな妖気で荒れ果てた野に再臨し、その神通力で清め給い栄え給うというお話。 ゲーム難易度はイージー。 神様なのでありえない高所から落下しても平気。3Dなので色々なところを駆け抜け放題昇り放題掘り返し放題。 割とナチュラルに自由操作に放り出すけれども、旅連れの鯔背なコロポックルの一寸が何かと色々言ってくれるし地図にもべったり判りやすく印がついている。巻物という形で色々な情報が一覧出来て、これまた地味に便利だったり面白かったりする。 話そのものは明快で判りやすく、謎解きも判りやすい。 このそんな軽やかなゲームのゲーム性を支えているのは、「筆しらべ」というアマテラスの能力でありシステムである。イベントの節々で使うことになるが、イベント以外でも自由に使える。「使って!」とひっそりマップの端々で主張している専用のオブジェクトを見つけると、天邪鬼を感じるよりもついつい素直に筆を走らせてしまう。 特に序盤で習得する「咲かせる」能力は素晴らしい。 枯れ木にくるりと丸を描くと、忽ち甦り、ぶわっと満開の花を魅せてみせる。この瞬間がとても快い。 あー、早くアフターファイブにならないかなぁ…。 しかし弱った。悪癖で一応予定はびっしり埋まっているのである。ROに経験値1.5倍も来ているので、来月からの次の本の作画期間が始まる前に目標Lvに達して置きたかったのだが。当然ネームやコンテの作業もあるし、サイトの更新もあるし。 「だから薦めなかったんだよ。絶対好きだと思ったから」という祭の言葉に、苦笑っていいやら臍を噛むべきやらなんやら。 弱ったものである。 PR