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25 April

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03 November

エルナサーガ

 エルナサーガは学生時代、当時のGファンタジーコミックスの馬鹿馬鹿しい高単価に泣く泣く売り払ったあと、社会人になってから新装版を買い揃えなおした経緯があります。
 学生時代に一冊800円のシリーズを維持するのは大変でした…。表紙がなかなか美しいので勿体無かった気もしますが、読み返すなら巻数が圧縮されていてサイズも小さく、表紙絵カットも小さいのでその周りを手垢で汚すのになんら抵抗の無い新装版は大変重宝します。

 エルナサーガ2を続けて読もうとしてどっかに行っていたことに気づきました。連載中イマイチな気がして扱いが弱かったんですよねぇ。俺の中で。でも多分一気に読んだら凄いと思うので、買ってなかった分も今から買いそろえようと思います。

 エルナサーガはとにかく一気に読みたい!というか一気に読めてしまいます。あんるぇー?もう夕方?みたいな。予定を立てていた部屋の整頓が半分くらいしか進んでませんが俺は反省はしても後悔は無いんだぜ。


 エルナサーガが連載していた当初、少年漫画は全盛期ともいえたのではないでしょうか。特に当時のエニックスでは作家が出版社に守られながら担当編集の支援を受けて連載を育てていった様子が感じられます。…今との格差も示唆した上で言いますが。
 魔方陣グルグルとかハーメルンのバイオリン引きとか幻想大陸とか(あえてレヴァリと言わない)とか。

 とにかくエルナサーガは戦乱とその渦中にある少女を扱っているだけに、暗かったり重かったりするテーマもある訳で、そういう部分は一話一話の掴みは弱いのです。しょうがない。こればっかりは。だが、全て一気に読むと、前後のわーっどわーっ!!という戦の派手で熱くてしんどい流れの中間としての小休止になっているのです。全く読み疲れがありません。凄すぎる。

 今の少年漫画業界では厳しいですね。特に週刊少年ジャンプとかだと。今や他の低年齢層向けの雑誌も似たり寄ったりですが。
 一話一話で読者を掴んでいかなければならないから、話が凄く込み入ってる。一気に読むと疲れます。やたら巻数ある割りには、数年後思い返してみて、その話への思いいれがすごく薄い。将来の自分の形も考えてみると、嘆かわしいと同時に寂しく感じてしまう現状があるのです。


 さてエルナサーガに癒されましょう。

 エルナサーガの凄いところは「咽び泣き」が出るんです。「うおおおお、エルナ様ー!!!」って気持ちになって咽び泣きます。
 エルナは世間知らずのお姫様ですが、崇高な思想を持っています。でもそれも少女ながらにとても未熟なもので、スタート時点では自分自身でも掴みきれていない状態なのです。 それを戦場との関わりの中で、世界(エルナが指す世界はもっぱら「全世界(ギムレー)の人々」の意味です)のために自分が何をするのが最良なのか、失敗したと沢山悔い続けながら悩み続けながら高めて行き、終には、人々に光を示す。

 なんて完璧な英雄譚Σo(゜Д゜o)

 だがしかし最初のエルナは「忌まわしき闇の姫巫女」として、世間から孤立した孤独の中でスタートです。味方はお城に忍び込むご近所のやんちゃな子供アトリ君だけです。当然戦には連れて行けませんRPG的に(待)。
 そんなエルナの最初の戦力(酷)がなんと、自分の国と戦争をしている敵国の若き勇将シャールヴィ王子(しかも最前線を指揮する将軍です)。一騎当千と世界(ギムレー)に名を馳せる男ですがいかんせん敵です。なんて波乱万丈。
 この二人、標的と刺客として初顔合わせ。「エルナぶっ殺す!」と勢いで単身敵国城へ乗り込んでこれちゃうシャールヴィは凄いですが凄い実力と同じくらい阿呆です。(せめて破天荒と言ってやれ…。)それが彼の最大の魅力ですが。シンプルイズベスト。ピュアというと可愛げがあって何かイメージと違うが多分ピュアなんでしょう。ピュアなだけに、また国の9番目の王子様という自分自身の責任感の薄さもあって、対極にあって惑わされることが少ない。お陰ですんなりとエルナに大儀と情が移せてしまったあたり作者の妙を感じます。

 また、凄まじいのが冒頭(五話を冒頭と言い切れるあたりにエルナサーガのビックぶりを感じてください)のシャールヴィvs大魔導士ヴァーリの構図。
 エルナサーガは魔法が当たり前にある世界で、大魔導士というのは国政にも関わるその国で一番権威のある魔導士です。ありていに言うとエライ人です。大臣みたいなもんです。大臣と王子様が城でどんぱちとか思えばなんて漫画的。すばらしい。


 話は飛びますが、短い話は冒頭とオチをリンクさせるというのは話として構成させる上で最低条件と言います。

 …(゜Д゜)

…通常の月刊連載の長編でそれをやるんですか?!!!!

 脱帽ってこのことですね。もう最高に話の締りがイイです。


 超お勧めです。興味が出た人は是非是非読んで下さい。
 俺の知人友人、気になったら是非是非言ってね。貸すから。俺んちの読みにきてくれたほうが手っ取り早くて助かるけど。

 余談ですが、GFCで持ってらっしゃる人も、新装版8巻は是非買っていただきたい。おまけ漫画は必見です。俺が必見といったら本当に必見。


 そして読んで思った。今日、冬の新刊のネームをやる予定なんですが、…予定のネーム、月刊誌二話分くらいのリズムだわ。

 …あれ?今11月だ(;゜Д゜)

 どうするどうなる冬新刊。


 おまけ。

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